散歩道の途中、小さな一区画にお花畑のようなところがある。
たまにご年配の女性が植え替えをしたり、手入れをしているのを見かけるが、その季節のさまざまな花々が植えられていて、色とりどりの鮮やかな風景は見る人たちを楽しませてくれる。
5月中旬のある日、そのお花畑の前で熱心に写真を撮っているおそらく散歩途中と思われる中年の男性を見かけた。何を撮影しているのか気になって横からすこし近づいてみると、見たことのない白い花が咲いていた。
その花は今までに見たこともない様相を呈していた。四方に何本も広がる細い葉のようなものが白い花のまわりを飾っているが、それはまるで斬新なデザインをあわせもちながら美しい芸術性を宿しているように思われた。
私は男性が立ち去った後、夢中になってその花の写真を撮っていた。思いがけない素敵な出会いに胸をおどらせながら。
その花がどれくらいの間咲いているものなのか、私は知らない。私はしばらくその花を眺めていた。もしかしたらもう二度と見ることができないかもしれないから、その美しさを目に焼きつけておくために・・・
散歩をしていると、たまに思いがけない発見をしたり、素晴らしい風景に出会ったりする。それはきっと散歩を素敵なものにしてくれるひとつの要素で、それがありふれた日常に小さな幸せを運んできたりする。
私は散歩が好きだ。
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