先日、私の大好きな作家、氷室冴子先生のお墓参りに行ってきました。
早稲田駅から歩いてすぐの龍善寺。
私が氷室先生の本に出会ったのは、中学校の図書館でした。
その頃、「なんて素敵にジャパネスク」の漫画が流行っていて、漫画を読んでいなかった私は、図書館で目にとまったジャパネスクの小説をなんとなく借りて読んでみました。
そして、その面白さに私はすぐに虜になってしまいました!
ストーリー展開の面白さ、時におなかを抱えて笑ってしまう程のユーモア、そして、繰り返し胸をふるわせるような、心に触れ刻まれる感動。
自分が成長するにつれ確かに感じたことは、氷室先生が描いていたものは、綺麗に格好良く作られた人間・物語ではなくて、そう、純文学にも通じるような、時に美しく輝かしく、時に儚く切なく、そして時に卑しくどうしようもないどうにもならないリアルな感情、人間、人生というものを描いていたからこそ、あれほどまでに心に触れ感動を呼び起こしたのではないかと思っています。
初めてのお墓参り。
氷室先生の本を読んで、どれほど感動し、そして、そこに綴られた言葉に想いにどれほど生きる力をもらったか。伝えたい想いが湧き出るように溢れてきました。
墓石に刻まれた先生の直筆のサイン。直接先生にお会いすることができなかった私には、先生に少し触れられたような気がして、とても嬉しいものでした。
お寺のある早稲田について調べたところ、公園や大学、庭園等がいろいろあるので、お墓参りの後、散策をしてみることにしました。
まずは都立戸山公園。公園の中を歩いてしばらくすると傾斜のある道が続いて少し標高の高い方へ。小高い場所へ続く階段があるので登ってみると、そこは箱根山という小さな山の頂上でした。腰かけて広がる景色を眺めている人たちがちらほら。東京23区内の公園の中に山があるというのもなんだか不思議なものでした。
その後は少し場所を移動して、早稲田大学へ。
歴史ある建築物から滲み出る重厚感と独特の雰囲気。どこか違う国に入り込んでしまったかのような美しい光景… ゆっくりと散策しながら、ときどき足を止めてはその景色に見入ってしまいました。
歩きながら、氷室先生はなぜご自分のお墓をあのお寺に建立されたのだろうと考えました。もともと何かご関係があったのか? それとも、お墓参りへの行きやすさや、お墓参りの後、周辺の散策を楽しめるようにと考えていらっしゃったのかしらと想像したりして、なんだか微笑んでしまいました。
また時間をつくって、この日はお休みだった庭園等も散策してみようと思います。
氷室先生へ思いを馳せながら…
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